沈まぬ太陽を信じた年代中期
多感だったあの時代へ時空の旅にでかけよう。
発売日
2020年12月16日(水)
定価
1,280円(税10%込)
ザ・タイムマシン1985・1984・1983・1982
1980年代に最も多感な時期を迎えていた俺たちは次々と巻き起こるブームに乗ってはその楽しさと豊かさを享受した。新しかったはずのトレンドは、月日の経過ですぐに劣化してしまう。70年代と比べてそのスピードが格段にアップした社会に俺たちはピタリとシンクロしようと涙ぐましい背伸びと努力を繰り返し、キラキラした青春時代を謳歌した。一方、世界中で中継された「ライブエイド」や「ウィ・アー・ザ・ワールド」に象徴されるように世界が平和を願った時代だ。やがて迎える冷戦終結へ向かって俺たちは考えさせられ、意識と心を動かされた。本書は、社会が発展へと向かって激しいうねりを見せた80年代中盤の4年間を切り取ってお送りする。時空の旅をじっくりと楽しんでくれ。準備はOK? それではタイムマシン、スイッチON!!
バンド・エイドに負けるな! アフリカの飢餓救済を掲げてアメリカのスターたちが白人、黒人の垣根を越えて立ち上がった。「USAフォー・アフリカ」と名乗った彼らが見せた前代未聞のプロジェクトはアメリカンポップスの芳醇な輝きのはずだったのだが…。それは夢の終わりの始まりでもあった。
1985年、昭和40年男世代にとってもクルマが身近になってきたこの年、我々を熱狂させたのはホンダだった。クイントインテグラ、アコード、レジェンド、トゥデイ…etc。あれから35年、ホンダも我々の好奇心も色あせてはいない。“同世代”と言いたい85年のホンダのクルマたちが放った熱量に迫る。
1984年10月、東京・有楽町駅前に5つの映画館と2つの百貨店を擁する有楽町マリオン(正式名称:有楽町センタービル)がオープン。壁面がガラスで覆われたマリオンビルは有楽町~銀座界隈のシンボル的な存在となり、街と映画文化の景色を一変させた。
アメリカでMTVが開局したことを受け、日本でも洋楽のプロモーションビデオに接する機会が増えた。音楽を観ることが一般化していった年に放送がスタートした『ザ・ポッパーズMTV』は、新しい洋楽の賞味方法と一段階上の楽しみ方を教えてくれた、それまでにないタイプの上質な音楽番組だった。
1983年6月3日、938という気の遠くなるような盗塁世界記録を打ち破り、阪急の福本 豊が世界の頂点に到達した。「1億円の足をもつ男」と言われ、「恐怖のトップバッター」としてもチームの勝利に大きく貢献した比類なき盗塁王。この偉大な記録達成を軸に、その技と想いに迫る。
参議院選挙で100議席を占めていた「全国区」が廃止され、「比例代表制」が導入された。この国の政治が、国民のためと言いながら、政党による政党のための政治へと大きく舵を切った。議員から個性が消され、党利党略と、説明不足、議論不足で国の政策が決定されるようになった戦後政治の分水嶺。
日本にはこれまで、外国人レスラーのスター選手が数多くやってきたが、そんな常連外国人のなかでも最大の大物と言われるのがハルク・ホーガンだ。後に世界的スーパースターとなるホーガンがブレイクするきっかけとなった、1982年の活躍をあらためて振り返ってみよう。
1982年、膨大な情報量とモノへの好奇心に満ちあふれた画期的な雑誌『モノ・マガジン』が創刊された。現在も刊行を続ける同誌は、いわゆる“カタログ誌”の定型となっていった。そこにはただのカタログには終わらない熱気と、生活者とともにモノの恩恵を楽しむ精神があった。
特級ウイスキーとして昭和31年に発売された『ブラックニッカ』が、昭和40年に「特級をもしのぐ一級」となって登場。スコッチタイプの本格ウイスキーとして今も愛され続ける『新ブラックニッカ』は俺たちの酒の時間を彩ってくれたロングセラー商品だ。