発売日
2022年3月11日(金)
定価
780円(税10%込)
発行間隔
隔月刊(奇数月11日発売)
俺たちの別れSo long See you again Good-bye
春は出会いの季節です。そして別れの季節です。つらく悲しいものばかりでなく、そこには深い愛や男の心意気が横たわっていたりもします。やせ我慢の美学を知り、おごらず、高ぶらずこそ誠実とした昭和には、心の奥底に深く響いた別れが数多くありました。それらの一つひとつからじっくりと学び、やがて己に訪れてくる悲しみの数々と対峙してきたのです。卒業式や恋人との破局、かけがえのない友情のひび割れなど、心のひだにはたくさんの痛みが残っています。そして今、50代も半ばを過ぎて、死別という心の張り裂けるような思いを幾度となく重ねてきました。そんな別れの経験は少ない方がいいに決まっています。ですが傷ついた分だけやさしくなれることを昭和の男は知っています。乗り越えていくことを人生と呼ぶことも。人知れずの涙を多く流してきた、強くやさしき男たちにこの特集を捧げます。木綿のハンカチーフのご用意をお忘れなく。
夢、あふれていた俺たちの時代
昭和63年(1988年)
昭和40年男が少年から青年を経て大人への道をまっしぐらに歩んでいた時期は、日本経済が沸点へと向かって急上昇していた時期とピッタリ重なる。そうした勢いを肌で感じながら成長した俺たちには、いい思い出が数多く残っているはず。この特集は俺たちが過ごした「夢、あふれていた時代」からある一年を切り取って、当時の希望に満ちていた日々を振り返る連載特集だ。今回は昭和63年へ時間の旅に出かけよう!
『翔んだカップル』『ふぞろいの林檎たち』などの人気番組への出演を経て、人気者になっていった柳沢慎吾。俺たちは芸能活動初期からの活躍を知る世代である。親近感と敬意の念をもって観てきた存在ゆえ、いつか登場いただきたいと念願していたが、今回の特集でついに満を持しての登場と相成った。
眠い目をこすりながら、あるいは放課後にランドセルを放り出してテレビに飛びついていたあの頃。昭和40年男にとって、大好きなドラマの最終回は一大イベントであった。最終回は終わらない! 俺たちが胸を痛めた美しき涙のラストシーンの数々を振り返ろう。
ほら、見な。あんな雲になりてえんだよ。我らがヒーロー・車 寅次郎は流れ雲のようにいつしか目の前から消えては、暁の東雲のように希望を秘めて涌き上がってくる。ハロー&グッバイの名人ここにあり。さまざまな旅立ちを見せてくれた『男はつらいよ』で俺たちは別れを学んだ。
我が巨人軍は永久に不滅です。長嶋茂雄の全盛期をリアルタイムでは知らない昭和40年男だが、1974年10月14日の引退試合のことは有名フレーズとともに記憶に残っている。日本中が泣いた歴史的一日を、元巨人の投手であの試合のマウンドに立った横山忠夫に聞いた。
ディズニープラスで配信されている『ザ・ビートルズ:Get Back』。1970年の解散から50年もの長きにわたりお蔵入りとなっていた幻の映像が初公開されて世界中で話題になっている。3つのパートに分かれた8時間弱に及ぶ映像に記録されたビートルズ末期の姿から、バンドの解散について考えてみる。
昭和に生まれ育った世代にとって、長年愛読したマンガの最終回は“別れの季節”の象徴だ。そして、作中のヒーローとの別れは青春の思い出そのものである。マンガ家・江口寿史が影響を受けたマンガの最終回、また自身の作品の最終回を語る。
人気アイドルが数多く生まれた1980年代において、ナンノは重要なキーワードだ。出世作『スケバン刑事』をはじめとして、数々のテレビCMや主演映画への出演、そしてなんといっても特筆すべきは87年から88年にかけてのシングル8作連続1位の記録。今は女優として活躍する南野陽子、本誌初登場。
疾走の時期を過ぎて、なおも走り続けるロックバンド、ザ・コレクターズ。有為転変のロックシーンにおいて、メジャーデビュー35周年を迎えるなんて並大抵のことではない。頼りになる1個上のギタリスト、古市コータローがソロ初登場です。
『美味しんぼ』は表現の多様性を押し広げ“グルメマンガ”というジャンルを開拓。一方、アニメ『美味しんぼ』は子供向けだったお茶の間アニメの時間帯に青年や大人たちを呼び込み、マンガ同様にアニメの在り方を広げてみせた。ここではアニメ『美味しんぼ』の革新性に迫る。
今もプロレス界に暗い影を落とすブルーザー・ブロディ刺殺事件。フリーの超大物として世界中を渡り歩いたブロディは、なぜプエルトリコで殺されてしまったのか。34年目の真実を探る。プロレスファン待望の夢の対決…、その実現の直前に突然このを去った、ブルーザー・ブロディの生き方を考察する。
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