発売日
2020年11月11日(水)
定価
780円(税10%込)
発行間隔
隔月刊(奇数月11日発売)
あの日、俺たちは覚醒させられた日本ロック元年
俺たちはロック世代だ。胸を張ってそう言えるのは、最も多感で音楽が成長の栄養分として必要だった10代の頃に、ロックシーンに大きな変化が起こったからだ。これを幸運と呼ばずしてはバチが当たる…とまで言い切るのは一体どんな変化だったのだろうか? 今回の特集の肝はそれだっ!! これ以前に時間を戻して眺めてみよう。女の子たちが失神し、黄色い声をあげたグループサウンズは俺たちにとっては大人たちのための懐メロだった。はっぴいえんどや加藤和彦など、驚愕の先進性を誇ったジャパニーズロックの朝焼けにつき合うにはまだガキ過ぎた。キャロルやクールスは少し上世代のちょっと悪いお兄さんロックだ。こうして大雑把に眺めてみるだけで、いつの時代も日本のロックはその時代時代の若者たちの欲する気持ちと微妙な距離感と関係性を保ちつつ、多くがカウンターカルチャーであることをまるで自負するように発展してきた。さてさて、特集の肝としたロックシーンの大変化とは? 編集部ではそれを“テレビから聴こえてきたロック”として、10代の我々こそがその恩恵を強く受けた世代だと断定した。ブラウン管の中にロックを見出しては、刺激を受けながら自分の愛する世界観を練り上げていった。ロックスターたちはお茶の間を引っかき回しながら存在感を強めていく。カウンターカルチャーでありながらも、多くの若者たちがメジャーシーンとしてとらえ始め、そして虜になった。そんなテレビとの相乗効果が色濃く顕在化したのが昭和53年・1978年であり、我々世代だからこそのシンパシーワードとして“日本ロック元年”と呼ぶことにしたのだ。ここを起点にして始まった俺たちならではの、ロックによる覚醒と成長の日々へと旅に出よう。
夢、あふれていた俺たちの時代
昭和47年(1972年)
昭和40年男が少年から青年を経て大人への道をまっしぐらに歩んでいた時期は、日本経済が沸点へと向かって急上昇していた時期とピッタリ重なる。そうした勢いを肌で感じながら成長した俺たちには、いい思い出が数多く残っているはず。この特集は俺たちが過ごした「夢、あふれていた時代」からある一年を切り取って、当時の希望に満ちていた日々を振り返る連載特集だ。今回は昭和47年へ時間の旅に出かけよう!
Charは名実ともに日本を代表するロックミュージシャンだが、とりわけ昭和40年男にとっては重要な存在だ。名盤『Char』、シングル「気絶するほど悩ましい」「闘牛士」は俺たちが多感な時期にリリースされ、ロックに目覚めるきっかけになったのだから。ご本人に当時の話をうかがった。
中学生になった俺たちの前に彗星のごとく現れたヒーローがいる。そう、世良公則だ。サラサラの長髪をなびかせ、野太いボーカルで歌う新世代のロックスター。そのカッコよさに憧れてバンドを始めた昭和40年男も多いはずだ。「ロック元年」を象徴する我らが世良さんが本誌5年ぶりに登場!
1970年代後半にリリースされた原田真二のヒット曲は、それまでの日本のポップミュージックとは明らかに違う新鮮な響きをもっていた。抜群の音楽センスと甘いルックスでお茶の間にロックを響かせた天才アーティスト・原田真二誕生の光と影。
1974年にデビューした甲斐バンド。フォーク、ニューミュージックが全盛だったこの頃、ライブそしてラジオで若者たちの人気を集め、79年「HERO(ヒーローになる時、それは今)」で輝けるスーパーヒーローになる。
「ガンダーラ」「モンキー・マジック」をはじめ、次々とヒット曲を飛ばしていったゴダイゴ。エンターテイメント性に富んだ作品のなかに高い技量とセンスを匂わせていた彼らは、まだガキだった俺たちの耳を“無意識のうちに”肥やしてくれた!
「藤丸さんは、ソロはもちろんだけど、バッキングを弾かせたら日本一のギタリストだと思ってます」。これは長年活動を共にした西城秀樹の言葉だ。SHOGUNだけでなく、数々のワークでロック界と歌謡界をつなげてきたギタリストの人生に迫る。
ムズカシイことは言わない。魔死愚裸(まっしぐら)こそ不良の本分なのだ。バッドボーイ・ロックンローラーたちはテレビ出演をいとわなかった。「私の場所ではない」などとは考えなかった。そんな姿に、今も永遠の忠誠を誓います!
長髪の似合う男っぽい風貌に長い手足、派手なアクションを伴う絶唱型のボーカル。俺たちが少年時代に出会ったヒデキはすべてがカッコいい、憧れの存在だった。日本中に衝撃を与えた訃報から2年半。不世出のスターを支えたスタッフがその魅力を語り尽くした。
ドラマ『俺たちの旅』や映画『青春の門』など名作で、昭和40年男にとっても幼少の頃からなじみの深い名優・田中 健が本誌初登場!やさしい笑顔と穏やかな語り口で役者人生を語るとともに、昭和40年男へのこれからの人生のヒントとメッセージをもらった。
ジョン・レノンがこの世に生を受けて80年、ビートルズの解散から50年、そしてジョンの不慮の死から40年が経つ。すっかり歴史の一部になった人物だが、今もジョンの魂は人々の心に突き刺さる。昭和40年男を代表するミュージシャン、奥田民生にジョンの魅力を聞いた。
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